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忘れるためのなぐりがき

短編小説や、映画・アニメの感想を書いています。

自作短編「美容室の会話が苦手」

「佐藤さんて仰るんでしたっけ。いきなり何ですけど、初対面の人と話するのって、大変じゃないですか?」

「佐藤で合ってます。……え、そうですか?」

「だいたい、会話の引き出しって、そう多くないじゃないですか。 共通の友達とかいればね、そいつのこと話してればいいんですけど、お互い歳もわかんない、中学も高校も知らないじゃ、大変ですよ。」

「趣味を聞いてみるのは?」

「それが意外に難しいんですよ。相手がぜんぜん興味がない趣味だったらそこで会話終了だし、趣味があったらあったで、逆に地雷踏むこともあるし。」

「そうですかねぇ……。それじゃあ、最近話題のニュースとかは?適当に時間つぶせるじゃないですか。」

「ネタにできるくらい面白い事件、毎日あります?スマップとかベッキーとか、この1,2カ月が異常だったんですよ。」

「だったら、雑誌あるんだし、それでいいんじゃないですか。」

「んー、雑誌って、イヤなんですよね。あなたとは会話したくないです、って明らかに言っちゃう感じがね、ちょっとね。」

「……。」

「あとね、雑誌とかカタログの切り抜き見せて『これにしてください』ってやるの、ラクに見えて1番ハードル高いんですよね。」

「あー、自意識どんだけ高いの、って感じですか?」

「それもあるんですけど、モデルさんがカッコよく見えるのって、髪型のおかげじゃなくて、9割顔じゃないっすか。髪変える前に痩せろよ、って思うんですよ。」

「……。」

「だからね、俺、この仕事ヤなんですよね。」

佐藤氏はシャンプーされながら悔いた。

美容室選びを間違えたぁあああ!!!!