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忘れるためのなぐりがき

短編小説や、映画・アニメの感想を書いています。

自作短編「風邪と社会人」

ショートショート
「社会人は、体調管理も仕事のうち」っていうのは、その通りだと思う。
でも、先週仕事であんまりウンザリすることが多かったから、悪寒がするのを無視して会社から家まで歩いて帰り(1時間半かかった)、風邪をひいてやった。
いつもなら電車で揺られているはずの時間に、ベッドに寝そべっているのは奇妙な感覚だ。
溜まっていた本を読み、借りてきた映画のDVDを返し、ゲームでもやろうかと思っていたけど、身体のあちこちが痛くて、まったくやる気が起きない。アイスクリームがたまらなく恋しかった。
誰か今すぐ、ハーゲンダッツを届けてくれないかなぁ。
 
薬が効いたのか、午後には少しラクになった。
本を読めるほど頭は冴えてなかったから、映画のDVDを見た。
会社がなくなった自分は、本と映画くらいしか残っていない、ぽっかりあいた穴みたいで、何だか怖かった。
子どもの頃、インフルエンザで学校を休んだ時も、同じようにぽっかりした気分になった。
あの時は、母がリンゴを剥いてくれ、父はケーキを片手に帰ってきた。食欲がないから、ケーキなんて食べられないのに。
 
五臓が疲れているときは悪い夢を見るものだ」って、走れメロスにもあるじゃない。
最近の市販薬は効き目がスゴイし、どうせ大した風邪じゃない。大丈夫。
もうひと眠りしたら、たぶん朝だ。
きっと治っているだろう。