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忘れるためのなぐりがき

短編小説や、映画・アニメの感想を書いています。

自作短編「ドーナッツ囚人」

正社員があらかた帰宅した本社ビルの受付スタッフ控室、今日のシフトを終えて帰宅しようとした先輩は、居残り担当の後輩に声をかけられた。
 
「……ちあき先輩、課長からの差し入れのドーナッツ余っちゃってるんで、良かったら食べちゃって下さい!お皿に移して、机に置いときました。」
「えー、しほちゃん食べちゃって良かったのに~!」
私も後で頂きます♡それにしても、これ、めっちゃ並ぶって、ネットで話題のお店のやつですよね?F課長って案外優しいんだなーっていうか、流行とかに興味あるんだなーって、びっくりですよね。」
「ありがたいよねー。せっかくだしさ、しほちゃんも今食べちゃいなよ!私、箱片づけるよ。」
「え、私、後でゆっくり紅茶淹れながら食べ……」
「紅茶なら、給湯器の残りまだあるでしょ?若者が遠慮しちゃダメだよー♡」
 
ちあき先輩は、内心毒づいた。
(も~!!!!!今日、ランチがイタ飯で、ついデザートまで食べちゃって、夕飯抜こーって思ってあえて手を付けてなかったのに、この女なに考えてんの?!アンタなんか、若いんだからドーナッツ1個2個くらいあっという間に消費できるでしょ?なにカマトトぶってんの?!?!)
 
しほ後輩は、密かにキレていた。
(何コレ、後輩いびり?私が食えってこと?こないだからチアシードダイエットはじめたって、言いましたよね?!アンタなんか、今更カロリー気にしたって変わんないでしょうが!!!というか既に手遅れだし!!!つうかオバサン、さっさと食って帰れよ!
 
素敵な笑みを交わし合いながら、2人はドーナッツを3個ずつ仲良く平らげた。