忘れるためのなぐりがき

短編小説や、映画・アニメの感想を書いています。

雑な感想:BLアニメ映画『同級生』を見てきた

ネタバレ無し、雑文御免、の映画感想シリーズ第一弾。
 
作画と演出、すげーーーーーーー!!!!!!!!!
 
※ちなみに私は、BLはどっちかというと否定的、でも原作マンガは読みました、という感じです。
TOHOシネマズ日本橋、特別料金1500円で鑑賞しました。
 
「生々しさと美しさは両立しない」、というのは私が確信しているテーゼwの1つですが、”美少年高校生どうしの甘酸っぱい青春ラブストーリー”というもともとが非現実的な物語には、今作のように耽美でリリカルな方向性(=生々しさゼロ)で、大正解。
こんな男子高校生いないやろ!(=生々しくない!リアルじゃない!)というのは、野暮なツッコミです。日常と隔絶され、作品に没入できる映画というメディアだからこそ許される、甘酸っぱくて素敵な世界です。
裏を返せば、(企画ありきで始まったプロジェクトでしょうが)「この原作を120%活用するには、アニメ映画という手段が1番だ!」という必然性に全編が貫かれ、形式を最大限に活かす工夫に満ちているように感じられました。
マーケティング主導の安易な実写化作品、アニメ化作品が多い中で、これはとても気持ちがいい姿勢です。
 
まず、冒頭の手書きによる題字、それに続くチャプターの文字(これもまた手書き)から、ぐいぐい作品に引き込まれます。
 原作同様、ロジックをポーンと飛び越えて、男子高校生の2人がほとんど抵抗なく恋に落ちちゃう(=BLのためのBL状態)のには、正直ちょっとついていけなかったけど、上映時間が60分なので、そこはサッパリ割り切りました。
原作の雰囲気を120%再現した手描き風、水彩画風の繊細なタッチに、最後まで目を奪われました。
余計なBGMがなく環境音中心の音響と、ところどころに入るマンガチックな効果音と演出の対比が、とてもイイです。吹き出しとか、「ジャーン」みたいな効果音が、平気で画面に登場するんですね。なのに、違和感がないんです(スゴイ)。
また、画面の中に登場人物しか映さず、背景がナシ(白抜き)というカットがここぞという時に使われます。それが全然手抜きに見えず(むしろ髪の毛やら瞳やらはフルフル動かされていてとても細かい!)、原作の白描画の雰囲気を再現するだけでなく、シンプルな画だからこそ登場人物の心の揺れがダイレクトに伝わってくる、印象深いシーンに仕上がっています。日頃、何かと空だったり遠景だったりをリアルに描き込むアニメに喜びがちですが、そのように「画面の密度を濃くする」ことだけが情感を伝える方法ではないんだ!と、再確認させられました。
これらの演出の数々は、家のテレビでお湯を沸かしたりトイレに行きながら見るのにはあまりに繊細、集中して味わうにはやっぱり映画館が1番です。
 
「あー、私いま、アニメ見てる~!」っていう喜びと、「いいもの見た~」っていうじんわりあったかい感動で、見終わった後は心地いい余韻が広がりました。
なんとなく、高畑勲監督の「となりの山田くん」を思い出したりw
 
高校生の喫煙シーンが平気で登場すること1つとっても、最近の映画の中では間違いなく、トガった部類(=監督がはっきり哲学を持って作った作品)に入ると思います。
60分1500円均一という設定も、見易くて良かったです。
 
ご馳走様でした!
 
 
追記:
この(内容はさておきwルックスは)ほぼ完璧な作品に、唯一難癖をつけるとしたら、主演の神谷浩史さん。
神谷さんが担当した主人公・草壁はいわゆる「攻めキャラ」なんですが、この「チャラいけどピュアな不良バンドマン」キャラクターに、どちらかというとキーが高くユニークな神谷さんの声が、最後までしっくりこなかった。
というか、これまで神谷さんが担当してきた「自意識高めの厨二キャラ」(糸色望阿良々木暦シコ松チョロ松etc……)があまりに神谷さんにピッタリ、ティエリアの声を初めて聴いた時から違和感を覚えるようなクチだったので(某兵長は言わずもがな)、神谷声でカッコいい草壁くんにどうも違和感を覚えてしまった……。(神谷さん好きな方、ごめんなさい!)
しかし、一歩間違えれば超絶勘違い野郎になりそうな甘い台詞や、原作独特のけだるい台詞回しを、サムさを(ほとんど)感じさせず聞かせてくれる演技力には、さすが……!!!としか言いようがありません。
ちなみに上映終了後、私の後ろにいた女性2人組は「神谷さん可愛かった~!」と盛り上がっていました。