忘れるためのなぐりがき

短編小説や、映画・アニメの感想を書いています。

自作短編「今日も上司がウマそうで辛い」

太陽に起きた異常現象で、太陽圏そのものに住めなくなってから、40年が経った。
生まれ育った地球の記憶は、ほとんどない。物心がついた時から、宇宙難民として、様々な惑星を移り住んだ。
あれだけ高度な文明を築いた人類も、1つの生命体としてみれば、体力も知力も弱い。
どの星に行っても厄介ばらいをされた。
私自身は、幸いにも小さな傭兵団になんとか雑用係として潜り込むことができた。
それからの必死の特訓の成果もあって、今では一兵団の団長として、それなりの地位と安全を保っている。
強くなければ殺されるという自然の摂理は、地球でも宇宙でも変わらない。
 
「団長もいい加減、<ポロック>を食べればいいのに。こっちの方が効率的に栄養を取れますよ。団長1人のために特別メニューを作らされる給仕部も可哀想だ。」
「放っておいてちょうだい。」
 
手が8本あるムウリカ星人は、悪い奴らではないが、相手を思いやる心がない。
過酷な宇宙環境の中で、脆弱な人類は<ポロック> と呼ばれ、ポピュラーな食糧の1つになっていた。